弦楽のための 「冬の記」 作曲 江尻 栄

      弦 楽 の た め の 「冬     の     記」
   ❝Memories  of  Winter ❞  for  Strings   作曲 江尻 栄
Music  by  EJIRI  Sakae   演奏時間 Duration   ca.12 ’  作曲年Year of the composition  2,011
 
「山からおろした切り木の束に つくる喜びと生きる呪ひをこめて 今日も明日も焼く炭焼窯」 ―1,936 年 久保栄 戯曲 「火山灰地」
 
 

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 Day  after  day  the  charcoal  kiln  burns bundles  of  wood,  carried  down  from  the  mountain and  imbued  with  the  joy  of  creation  and  the  curse  of  living   ―1,936  Sakae  Kubo  ❝Land  of  Volcanic  Ash❞
 
私のふるさと音更町は北海道中央部の十勝地方、帯広市十勝川を挟んで北 に位置しています。昭和 7 年 1 月、この村のオサルシ沢での木炭焼き子の突然 の解雇を巡り、焼き子側が団結、解雇撤回、木炭単価の値上げ、借金棒引きな どを要求し、事業所を占拠という事態に至り、ついにそれは村を巻き込む労働 争議に発展しました。けれども、争議は検挙者が出るも、やがて親方が折れて 終結しました。 後年、プロレタリア劇作家の久保栄はこの地を丹念に取材し、「火山灰地」と いう戯曲を書き上げ、昭和 13 年、築地小劇場にてリアリズム演劇として発表、 注目を集めました。 弦楽合奏曲「冬の記」はこの史実を背景に、一冬の焼き子たちの顛末を俯瞰 的に描いたものであり、私の代表的な作品です。
 
― この曲を尊敬する、故松村禎三先生に捧げます。 平成 23 年 8 月 6 日  江尻栄 ―  

※ 現在、楽譜は公表していません。